ピアノ・ロール (Piano Roll) とは「穴の開いた巻紙」の事である。ピアノに特殊な装置を付け、機械で一定の速度で巻紙を巻きながらピアニストが演奏する。鍵盤のタッチにより巻紙に印をつける。演奏が終わると巻紙を外し、印を手掛かりにノミで巻紙に穴をあける。多くの穴の開いた、帯状の巻紙が出来る。これにより演奏が記憶される。特殊な装置の着いたピアノにこのピアノ・ロール(巻紙)をセットすると自動演奏が始まる。19世紀後半から1930年ごろまで流行った。当時はピアニストだけでなく、多くの作曲家もピアノ・ロールに自作の演奏を残した。Mahler Ravel R.Strauss Debussy Scriabin Rachmaninoff 等のピアノ演奏を今聴くことができる。
人手で穴を開けるので、再生した時、演奏家が満足しない事があるので、数回にわたり微調整が行われ、演奏家からOKが出ると完成である。機械で複製が作られ販売された。
このSiteで発売されているLPは1960年代から1980年代になってからピアノ・ロールを再生し、ハイファイ・ステレオ等の録音方式で録音したものである。したがって音は極めて良い。
ピアノ・ロールを再生してSP(78回転盤)でリリースされたものがある、と言う噂を聞いた事はあるが、見たことはない。したがってLPでリリースされたものがすべて初版と思われる。
ピアノ・ロールの技術はエジソンの発明した「ろう管」による録音と並び、重要なものであった。
現在でも自動ピアノはあるが、その元になったものがこれである。
当時は多くのメーカーが有ったが、クラシック音楽分野では、Welte-Mignon, Duo-Art, Ampicoの3社に残された録音が重要で、それらが再生され、その録音を現在聞くことができる。
Welte-Mignon はこちら Duo-Art, Ampico はこちら